中四国の名建築を楽しむ

中四国の名建築の一つ建築家安藤忠雄による李禹煥美術館

中四国の名建築を巡る

中四国の名建築を楽しむ(2000年以降)

中四国には、温風光明媚な景色や風土を活かしたさまざまな施設があります。瀬戸内芸術祭が2010年より始まり、直島を中心に安藤忠雄、三分一博志、SANAAなどの参加により、建築と美術の融合など新たな建築のあり方が示されました。


広島市環境局中工場

建築家 谷口吉生
広島県広島市(2004年)

広島市環境局中工場は、優れたデザインの社会資本を整備していくプロジェクト「ひろしま2045」で新設候補となり、設計を美術館の巨匠谷口吉生とした。谷口吉生により、今までにない新しいかたちの清掃工場が誕生した。
 

地中美術館

建築家 安藤忠雄
香川県直島町(2004年)

「自然と人間の関係を考える場所」としてつくられた地中美術館は、瀬戸内の美しい景観を損なわないよう建物の大半が地下に埋設された。館内にはクロード・モネの「睡蓮」、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が安藤忠雄設計の建物に恒久設置されています。
建築家安藤忠雄を含めた4人の芸術家がそれぞれの世界との向き合い方を示した美術館であった。
 

東山魁夷せとうち美術館

建築家 谷口吉生
香川県坂出市(2004年)

東山魁夷せとうち美術館は、東山画伯の遺族の指名により長野県東山魁夷館を設計した谷口吉生により設計されました。東山画伯を知り尽くした谷口吉生により、東山画伯の版画と瀬戸内の風光明媚な景色を見事に融合させた小さな美術館となっています。
 

海の駅なおしま

建築家ユニットSANAA
香川県直島町(2006年)

海の駅なおしまは、妹島和世と西沢立衛の建築家ユニットSANAAによる設計。直島の風景を壊すことなく、海の水平線をそのまま陸へとつなぐような真っ直ぐな屋根は伸びやかなランドマークとなっている。70m×52mの薄い屋根と細い柱、鏡面仕上げの壁が特徴。直島を訪れる人々を草間彌生の赤かぼちゃと妹島和世のドロップチェアとともに出迎えてくれる印象的なゲートとなっています。
 

坂の上の雲ミュージアム

建築家 安藤忠雄
愛媛県松山市(2007年)

坂の上の雲ミュージアムは、松山を舞台にした司馬遼太郎の長編小説「坂の上の雲」をテーマにしたミュージアム。設計は「司馬遼太郎記念館」にも携わった建築家安藤忠雄によるもの。

 

犬島精錬所美術館

建築家 三分一博志
岡山県岡山市(2008年)

犬島精錬所美術館は、銅製錬所の産業遺産を保存、再生しながら新たな美術館として、それ自体もアート作品としてつくられた。
現代美術の柳幸典と建築家三分一博志との共同制作により「あるものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもとに、考え抜かれた美術館であった。
 

李禹煥美術館

建築家 安藤忠雄
香川県直島町(2010年)

建築家安藤忠雄の打放しコンクリートをキャンバスにし、アーティスト李禹煥の「間」や「余白」を体験することができる美術館。有機的な自然の中に安藤建築の人工的なコンクリートの幾何学が挿入され、人工と自然の間に緊張感を持たせています。また、ヴェルサイユ宮殿の李禹煥展覧会にてつくられた大型アーチを直島でも挑戦したいと安藤忠雄氏に相談して実現した無限門が海に向かってつくられています。
 

豊島美術館

建築家 西沢立衛
香川県土庄町豊島(2010年)

豊島美術館は、瀬戸内海を望む豊島唐櫃の小高い丘に建設されたアーティスト内藤礼と建築家西沢立衛による美術館。日本の原風景である棚田と日本人建築家と日本人アーティストのコラボによる美術館は、まさに現代の禅の庭であった。
 

今治市伊藤豊雄建築ミュージアム

建築家 伊東豊雄
愛媛県今治市(2011年)

今治市伊東豊雄建築ミュージアムは、建築の次世代のあり方に挑戦している伊藤豊雄氏の拠点として、自然豊かな大三島にあった。
 

豊島横尾館

建築家 永山祐子
香川県直島町(2013年)

アーティスト横尾忠則の「生と死」作品と永山祐子の建築が一体となった空間は、常に変化し循環し続けるシーンの集合体となっています。建物は横尾作品のコラージュのように、作品とスクリーンによって生まれたシーンが3次元空間の中で一体となっています。
 

弥山展望台

建築家 三分一博志
広島県廿日市市(2014年)

弥山展望台は、日本三景の一つで豊かな自然が素晴らしい絶景地の宮島弥山頂上にあった。建築家三分一博志がコンセプトを「座」とし、好きなところに座り絶景を楽しみ、目の前に広がる瀬戸内海の多島美を望むことができる展望台となっていた。
 

直島ホール

建築家 三分一博志
香川県直島町(2015年)

直島ホールは、建築家三分一博志が直島周辺の風や水、太陽の動きと植物、集落を2年半にかけ調査し、直島の暮らしの知恵と街区や建物の美しさをデザインした建物。ホール、集会所、庭園で構成され、2棟の異なる檜の大屋根が特徴。
ホールの天井は日本の伝統的な素材の白漆喰で仕上げられています。
 

神勝寺洸庭

sandwich
広島県福山市(2016年)

神勝寺洸庭は、アーティスト名和晃平とクリエイティブプラットフォームsandwichによりつくられた禅を現代アートで解釈したインスタレーション。多様な角度から禅宗を感じ、豊かな体験を味わうことができる施設となっています。
 

おりづるタワー

建築家 三分一博志
広島県広島市(2016年)

おりづるタワーは、世界遺産でもある原爆ドームに隣接するビルを建築家三分一博志が改修してできた展望台。平和記念公園など広島の風景を一望でき、風を肌で感じることができるオープンな展望台となった。地元の実業家松田哲也と三分一博志による平和の祈りであった。
 

梼原町立図書館
(雲の上の図書館)

建築家 隈研吾
高知県梼原町(2018年)

隈研吾が木の建築の素晴らしさを知り、建築に木を取り入れるきっかけとなったのは、梼原町にあった芝居小屋ゆすはら座であった。そこから梼原町との付き合いが始まり、梼原町で6番目の施設となった梼原町立図書館には、隈研吾の梼原町の子供達の未来を思う気持ちが詰まっていた。
 

PEAK

建築家 青木淳
広島県尾道市(2022年)

展望台PEAKは、尾道の展望台再開発として計画され、LOUIS VUITTONの店舗から青森県立美術館など幅広い設計を手がける建築家青木淳とパートナーの品川雅俊による設計事務所ASが選ばれた。展望台は尾道の景観に調和した坂道をコンセプトとしてつくられた。
 

やしまーる

建築家 周防貴之
香川県高松市(2022年)

屋島山上にできた展望台「やしまーる」は、建築家周防貴之が妹島和世建築設計事務所から独立後最初に挑んだプロポーサルでした。
周防貴之は、観光の地として役割を終えつつあった屋島山上を次の時代に継承すべく、建築がこれからのあり方を見つけるきっかけとなれる施設として取組んでいます。

下瀬美術館

建築家 坂茂
広島県大竹市(2023年)

下瀬美術館の可動展示室は、建築家坂茂が以前より構想していた動く美術館を発展させたものです。それは、大竹の海岸から見た瀬戸内の島々に触発されたものであった。
2024年にユネスコの「世界で最も美しい美術館」としてベルサイユ賞を受賞した下瀬美術館の魅力をみていきます。
 

時の納屋

建築家 堀部安嗣
香川県さぬき市(2024年)

風光明媚な瀬戸内海の風景を楽しめる大串半島。瀬戸内クルーズ船ガンツウをデザインした堀部安嗣によりつくられた「時の納屋」は、瀬戸内の風景を活かした讃岐の原風景となっていました。
 

 

福武トレス

建築家ユニットTNA
岡山県岡山市(2023年)

福武トレスは、ベネッセコーポレーション創業者である福武哲彦が1985年に完成させた迎賓館と庭園を、娘の福武美津子のプロデュースにより復元し、リニューアルした施設。福武哲彦の蒐集した作品を展示したガラス張りの新設ギャラリーは、建築家ユニットTNAにより森と庭園に囲まれた心休まる建物となっていた。
 

香川県立アリーナ

建築家ユニット SANAA
香川県高松市(2024年)

香川の玄関口サンポートにできたアリーナ。コンサートやスポーツイベントの観客だけでなく、散歩で立ち寄る人々など、すべての人が瀬戸内の風景を共有できます。有機的な3次元局面の大屋根は、瀬戸内の島々をイメージし香川の新たなランドマークとなっています。
 

 
香川の名建築香川県庁舎

香川の名建築

瀬戸内の名建築

瀬戸内の名建築

瀬戸内の展望台

瀬戸内の展望台

瀬戸内の現代アート

瀬戸内の現代アート